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ベンガル語

 インド=ヨーロッパ語族・インド=イラン語派/ ベンガル文字表記
 バングラデシュ インド

使用状況

公用語、またはそれに準ずる地位にある国

 インド、バングラデシュ

ひろがり

 インド=アーリア語に属する言語。文字はデーヴァナーガリーと究極的に同系統のベンガル文字を用いるものの、形はかなり異なる。バングラデシュとインド東部という比較的せまい範囲で使われているが、話し手人口は2億人を超える。

発音

主な傾向

 発音体系には、インド亜大陸の言葉らしく反り舌音、帯気音⇔非帯気音の対立などがあり、ウルドゥー語/ヒンディー語の知識を援用できるものが多い。母音には表記上は長短の区別があるが、実際には区別されないことがほとんどである。日本語のサ行やシャ行に聞こえる音が3通りあるが、こちらも実際には区別は曖昧なようだ。

発音と綴り字

 母音は上記のように表記上と実際の発音が異なることがあるものの、全体的にはよく一致している。ただし、個人的な印象として、文字の書き方は難しそうである。特に合成文字はヒンディー語に比べて構成がかなり複雑で、一見書き順すら分からないようなものもある。

難しい発音

 子音に関しての注意事項はヒンディー語とほとんど同じで難しい。母音は「あ」と「お」の中間音みたいな母音が多いので慣れるのが大変そう。

文法

格表示屈折。しかし全体的に規則的で後置詞のような感覚である。
語順主語 − 目的語 − 述語。繋辞動詞(英語の"be"みたいなもの)は「〜だ、である」というときには肯定文では用いられない。
全体的に語順は日本語とよく似ており、同じく文節単位で語順を入れ替えても文意はあまり変わらないようだ。
冠詞名詞に後置され、単複で区別される。
限定詞前置される。形容詞は活用しない。
名詞文法性はなし。格変化は一応文法上は8種類(主格/対格、属格、与格、助格/具格、奪格、後置格)に分けられるらしいが、実際には4種類覚えるだけで事足りる。生物と無生物で活用が少し違うが、名詞ごとに違うわけではないので一度覚えてしまえば難しくない。
動詞活用数による活用の区別はないが、人称による区別に加えて二、三人称には日本語の『敬体』と『常体』に当たる形がある。二人称にはさらに親しい間柄で使われる形もある。時制には現在-過去-未来、アスペクト(相)には普通-継続-完了がある。
おさえておきたいところ
 名詞の格と数を始めに覚える。形を確実に覚えることが重要。動詞は変な例外も少ないのでパターンを押さえれば何とかなるはず。
 ただし、数字はヒンディー語/ウルドゥー語と同じく、1から99まで一語で表されるので、すべて覚えなければならない。

語彙

借入/派生

 近現代にかけて『ムガール帝国』から『イギリス領インド』としてインドやパキスタンと同じような歴史を歩んだため、借入元は英語、アラビア語、ペルシャ語などが多くヒンディー/ウルドゥー語とよく似ている。イスラム教徒の多い地域で話されてはいるものの借入語にはサンスクリット由来と見られるものもたくさんある。

日本語とのかかわり

 大言語であるにもかかわらず、日本語に入った言葉はほとんどない。

副産物

 系統的に近い他のインド=アーリア系言語へ応用が可能なはず。基礎語彙がウルドゥー語などと似ているので互いに応用可能と思われる。ちなみにベンガル文字と、仏教の一部宗派で用いられる梵字(悉曇)は同系統であるためよく似ている。したがって梵字の知識を身につけるときや、逆にベンガル文字を覚えるときには梵字の知識が使えそう。

英語
ポルトガル語
スペイン語
フランス語
ドイツ語
ロシア語
アラビア語
ヒンディー語/ウルドゥー語
マレー語/インドネシア語
中国語(普通話)
日本語

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