東ティモール、カーボベルデ、ギニアビサウ、サントメ・プリンシペ、アンゴラ、モザンビーク、ポルトガル、ブラジル
ポルトガルとその旧植民地で話されている。話し手人口は推定で2億数千万人とされるが、その人口のほとんどはブラジルが占めている。ポルトガル、アフリカ、ブラジルの各地域で方言差がある。スペイン北西部で話されるガリシア語も方言の関係にある。
ポルトガル音とブラジル音で違うものが少なからずある。ポルトガル音では非アクセント母音が曖昧母音(中舌母音)化する場合がある一方ブラジル音では狭まる。また、ブラジル音では閉鎖音が破擦音化する場合がある、など。ブラジルの方がやや保守的な発音を保っている感じがする。母音は鼻音の前でが鼻母音化する。二重鼻母音というものもある。方言にもよるが摩擦音が多い。
アクセントの有無によって同じ綴り字でも発音が異なる。特に語末非アクセント母音はポルトガル音では曖昧母音、ブラジル音では口をせばめて発音される(例:-te はポルトガル音で「トゥ」、ブラジル音では「チ」みたいに読まれる)のが特徴。x の文字の発音が何通りかあったり、qu の綴りに /k/ と /kw/ の両方の発音があるなど、親類のスペイン語と違い一字一音の原則は必ずしも成り立たない。
二重母音で鼻母音というのが難しい。語頭の r や rr はフランス語の r か、またはスペイン語の j の音(/x/、喉から出すハの子音)と同じように発音される。さらにブラジルのポルトガル語では di は「ヂ」、gi あるいは ji は「ジ」と発音されている。
| 格表示 | 語順 |
| 語順 | 主語 − 述語(=動詞) − 目的語。 目的語が代名詞の場合、主語 − 目的語 − 述語(=動詞)。 |
| 冠詞 | 不定冠詞と定冠詞があり、それぞれが性・数にあわせ変化する。人名に冠詞をつけることがある。 |
| 限定詞 | 指示詞は前置だが、形容詞は後置される場合が多い。 |
| 名詞 | 男性と女性の二性。単数-複数を語尾で区別する。 |
| 動詞活用 | 動詞の二人称活用は、現代のブラジルでは用いられず、ポルトガルでも単数が口語で使われるぐらいである。話法には直説法、命令法、接続法がある。 |
| おさえておきたいところ | |
| 動詞の活用に例外が多いが一定のパターンがあるので慣れればそんなに難しくはない。スペイン語文法とよく似ているので知識の援用が可能。ただし代名詞の斜格は形が不ぞろいなので初めは覚えるのが難しいかもしれない。 | |
スペインとポルトガルは国土回復運動までの歴史が似ているので語彙の構成はやはり隣のスペイン語と似通っている。ただ、曜日の名にローマの神々の名ではなく数字に由来した呼び名を使うところなど、日常語の中で違うところは違う。
日常語で使われている誰もが知るポルトガル語に“パン”と“タバコ”がある。戦国時代から付き合いのある洋語なのに“ビードロ”、“こんぺいとう”、“かるた”など400年以上前に借入されたものばかりで、最近借入されたもの(“サンバ”、“ボランチ”など)はブラジルからのものが多い。
縁戚関係にあるロマンス系言語を覚えるのに役に立つ。文法がスペイン語と似ているのでこちらも使えるはず。読み方が違う場合が多いものの、単語レベルでもスペイン語と形がかなり似ている。
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